SAP のデータ活用方法(vol.30)
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ERPシステムを導入している企業は多く、特に日本においてSAP ERPを導入している企業は、中堅から大企業を中心に非常に多く、ユーザー数は2,000社とも言われています。
SAP ERPは、財務会計を始め、管理会計/販売管理/物流管理/在庫管理/購買管理/生産管理 等の多岐に渡る業務データを登録でき、しかも、整合性を保持したまま管理できる堅牢なシステムです。
しかし、その反面、登録したデータを一覧化して参照・分析する機能が乏しいという課題もあります。
本ブログでは、この課題を補完し、SAP ERPデータを活用する方法を解説します。
SAP ERP データ活用の課題
前述の通り、SAP ERPは、財務会計をはじめ、管理会計/販売管理/物流管理/在庫管理/購買管理/生産管理等の多岐に渡る業務データでき、しかも、整合性を保持したまま管理できる堅牢なシステムです。
統合システムであるため、後続の業務に情報が引き継がれ、情報の二重入力や照合作業などを省力化できます。
各業務の実行結果に基づき、必要となる会計処理が自動的に生成される仕組み(自動会計仕訳機能)が用意されています。
これにより、データの集計や加工が不要となるため、データ不整合・入力の多重化を削減し、債権債務、決算業務の迅速化を図れます。
このように、会計機能と購買/販売機能等が自動連携される仕組みとなっているため、実績値を迅速に確認可能です。
SAP ERPは、企業の基幹をなす業務データが整合性を持って管理される非常に優れたシステムです。
また、グローバル展開している企業などは、同じ入力インターフェースで業務を行うことにより、ヘッドクォーター企業が傘下の企業を統制することや、どの拠点においても同じようなオペレーションで伝票登録すること等、オペレーションの統合が可能となります。
しかしながら、SAP ERPのUIは、一つの伝票を登録するような画面が多く、登録データを一覧して参照できる画面はほとんどありません。
そのため、業務データを分析して企業活動のPDCAに活用したいといった場面では、SAP ERPのみで実行することは困難と言えます。
SAP ERPデータをBIで活用しよう!
それでは、SAP ERPのデータを活用するには、どうすればよいのでしょうか?
そのニーズに応える為に普及してきたのがBIツールです。BIツールを導入することにより、
① 何が発生しているのか:事実を把握する
② なぜ発生したのか:原因を見つける
を可視化し、改善に向けたPDCAサイクルを回すことができるようになります。
SAP ERPと連携可能な代表的なBIツールとして、SAP Business Warehouse(以下、BW)が挙げられます。
2008年にはBusiness Objects(以下、BO)をSAP社が買収。
2017年にはSAP S/4HANAと連携可能なSAP Analytics Cloud(以下、SAC)をリリースし、SAP製のBIツールを拡充しました。
ただし、これらのBIツールは、導入はもちろん、保守運用(システム改修時)にも専門の技術者が必要であり、多大な運用コストがかかってしまうといったお悩みをよく耳にします。
そういったお悩みを解決するツールとして、電通総研はBusinessSPECTREという製品の提供をはじめました。
BusinessSPCTREは、基本的にノンプログラミングでMicrosoft SQL ServerにSAP ERPのデータを抽出する事ができます。
ある意味閉ざされていたSAP ERPのデータをオープンな仕組みであるSQL Serverへ解放することで、データ活用がしやすくなります。
また、SAPコンサルタントと比較して、オープン系技術者数の市場人口の方が多いため、リソース枯渇や技術者単価の観点で大きなメリットを享受できます。
さらに、SQL Severの関連ツールである
・SQL Server Analysis Services(以下、SSAS)
・SQL Server Reporting Services(以下、SSRS)
・Power Pivot
・Power BI
といったツールにより、様々な形式でSAP ERPのデータを参照/分析することが可能となります。
事項で、実際にSAP ERPのデータを参照/分析するためのSAP BIツールをご紹介します。
SAP ERP データ活用BIツール:BusinessSPECTREご紹介
SAP社認定のBIツールであるBusinessSPECTREは、2006年に販売を開始しました。
電通総研はBusinessSPECTREを使用してSAP ERPデータを抽出し、企業の根幹たる会計データの分析を始めとして、在庫/販売/購買/生産 といったロジスティクス系のデータ分析まで、様々な業種/業態のSAP ERPユーザー様へデータ活用を推進するBI基盤をご提供してきました。
そのノウハウを活かして、2010年にはデータ転送からレポートまでをパッケージ化したBusinessSPECTREテンプレートの提供を開始しました。
これにより、ゼロから要件定義をするのではなく、予め用意されたデータ転送/キューブ/WebレポートとFit&Gapをすることで、最短1ヵ月間でシステム導入が可能となります。
また、実際のレポートを参照しながら要件定義することが可能なため、業務部門によるテストフェーズでよくある「こんなイメージじゃなかったのに……」といったエンドユーザとのイメージの乖離が極小化されるといったメリットも存在します。
2015年にはWebブラウザから多軸分析を可能としたBusinessSPECTRE WebFrontをリリースしました。
これは固定帳票として構築したレポートを補完するツールであり、分析軸の追加/削減/縦横変換/フィルタリング/数値項目(メジャー)の選択 等を自在に組み替えることで、固定帳票では表せない視点での分析を実現します。
2017年にはSAP S/4HANAのデータを分析可能なテンプレートとして、BusinessSPECTREテンプレート(SAP S/4HANA対応版)をリリースしており、データ活用のシーンを広げています。
2021年9月現在、BusinessSPECTREは、140社以上の企業に採用され、SAP ERPデータの活用を推進してきた実績を誇ります。
まとめ
上述の通り、SAP ERPデータ活用において、BusinessSPECTREは、数多くの実績があります。
BusinessSPECTREは、SAP製BIツールと異なり、ユーザーライセンス課金ではなく、サーバーコア課金であるため、経営層から管理部門および現場の業務部門に至るまで多くのお客様にリーズナブルにご利用いただけるソリューションとなります。
SAP ERPデータの活用でお悩みでしたら、是非、電通総研のBusinessSPECTREをご検討いただけますと幸いです。
BusinessSPECTREご紹介ページ:https://erp.dentsusoken.com/solution/sap-bi-businessspectre