SAPについて学習するには? ~SAP Trainingのススメ~(vol.99)

  • 公開日:2023.07.31

これからSAP製品の導入検討をはじめる方や、業務で初めてSAP製品に触るユーザ、SAP製品の導入/アップグレードに関わることになった新入社員など、初めてSAP製品に触れる場合、一体どうやって学習すればよいのでしょうか?
SAP製品の導入に関する資料を購入して学習する、あるいは、インターネットに散らばる様々な情報を参照する……もちろんどちらも正解ですが、まずは「SAP Training」と検索してみてはいかがでしょうか。すると、検索第一位に「SAP Training Shop」と表示されるはずです。そこには、SAP製品に携わる多くの方々の助けになるような情報が溢れています。

本ブログ記事では、そんなSAP初心者をサポートする「SAP Training」について、わかりやすく解説します

SAP Training and Adoption とは?

先述の通り、「SAP Training」と検索すると、(広告を除いて)検索第一位に「SAP Training Shop」と表示されるかと思います。そのままクリックすると、「SAP Training and Adoption へようこそ」とお出迎えしてくれます。

この「SAP Training and Adoption」とは、一体何なのでしょうか?まずは、そこから解説します。
「SAP Training and Adoption」は、SAPが提供するSAP人材教育サービスです。ビジネスを最大化するための教育という観点で、プロジェクトメンバ育成のトレーニングから、導入システムを利用するエンドユーザ教育まで幅広いコンテンツを提供しています。詳細は後述しますが、SAP社の講義を受講したり、オンラインコンテンツを学習できるデジタルツールを契約したり、データ分析、レポート出力を支援するツールがあったりと、数多くの学習方法が存在し、利用する方の役割に合わせて効果的な学習方法が提供されます。

SAP Training ~導入検討編~

さて、「SAP Training and Adoption」の概要について解説しましたが、ここからは役割別の学習内容について解説します。
本章では、SAP製品の導入検討者向けの代表的なコンテンツを2つご紹介します。

  1. SAP デザインシンキング
    「SAP デザインシンキング」は、SAP社が提供するデザインシンキングを学習するためのトレーニングコースです
    ファシリテータを育成するための「THINK1」、ビジネスモデルを構築するための「THINK3」があり、それぞれ受講料がかかるものの、デザインシンキングに必要な各種手法を短期間で学ぶことができます。トレーニングの半分以上をワークショップとしているところが特長です。
  2. SAP User Experience Management by Knoa
    「SAP User Experience Management by Knoa」は、SAPエンドユーザの操作を把握・分析し、生産性・応答性に役立てるツールです
    SAP製品を操作して業務を行うユーザが、どのような操作をしているのか、何で困っているのか、パフォーマンスは出ているのかなど、サーバ側での監視やログだけでは把握できない情報を、多角的にユーザPCから収集し、的確な分析とレポート出力を行うことができます。業務別/部署別/ロール別など、様々な切り口でユーザエラーを分析できるのが特長です。

SAP Training ~エンドユーザ編~

前章ではSAP製品の導入検討者向けのコンテンツを解説しましたが、本章ではエンドユーザ向けとして代表的なコンテンツを1つご紹介します。

  • SAP Enable Now
    「SAP Enable Now」は、エンドユーザの育成に大いに貢献する教育コンテンツ作成ツールです。SAP製品を操作して業務を行うユーザに向けたわかりやすい操作マニュアルを、簡単に短時間で作成することができます。

    具体的には「Productor」と呼ばれるクライアントツールを用いて様々な教育コンテンツの作成可能であり、また、それらをデスクトップアシスタントによって業務利用中にタイムリーに確認することができます。さらに、Webアシスタントでは、SAP S/4HANAの画面(SAP Fiori)に標準で用意されているヘルプを簡単に編集することが可能です。

    メリットとしては、第一に操作マニュアル作成の効率化や脱属人化が挙げられます。加えて、システム稼働前後のトレーニングコストの削減や、システム稼働後のユーザからの問い合わせ対応コストの削減なども見込むことができます。また、情報共有サイトとしても利用できるため、SAPエンドユーザの人事異動に対しても柔軟な対応が可能となります。

    その他、SAP製品以外の業務システムやMicrosoft-Office製品などの操作マニュアルも作成できるため、様々な種類の教育コンテンツをこのツールで共有できることも特長の1つです。

SAP Training ~コンサルタント編~

本章では、コンサルタント向けの代表的なコンテンツを5つご紹介します。もちろん、コンサルタントだけではなく、SAP製品の導入検討者やエンドユーザも利用可能です。

  1. Classroom Training
    「Classroom Training」は、SAP社が提供するオフライン型の講義です
    ソリューションごとに講義があり、SAP社のトレーニングセンターでインストラクターと対面形式で受講します。身近でインストラクターの支援が受けられることや、他の参加者とコミュニケーションを取ることもできるのが特長です。
  2. SAP Live Class
    「SAP Live Class」は、SAP社が提供するオンライン型の講義です
    *上記「Classroom Training」のオンライン版とイメージください。
    トレーニングセンターへ行く必要が無く、移動コストや感染リスクを低減できることや、トレーニング期間中24時間、演習環境が使えることが大きな特長です。
  3. Hybrid
    「Hybrid」は、SAP社が提供するオフライン&オンライン型の講義です
    インストラクターがオフラインの対面形式で講義を行い、受講者はオフラインでの受講(Classroom Training)とオンラインでの受講(SAP Live Class)を選択することができます。
    それぞれの良さを持っていることはもちろん、仕事やプライベートの都合などでオフラインでの受講ができなくなった際に、オンラインに切り替えることができるのも特長の1つです。
  4. Customer Specific Training
    「Customer Specific Training」は、SAP社が提供する1社向けの特別な講義です
    実施場所はトレーニングセンターや「SAP Live Class」によるオンラインはもちろん、自社での開催も可能となります。価格は応相談となりますが、1社向けのため、専用の講義内容とすることも可能となります。全国各拠点で同時にトレーニングを行いたい、企業固有の情報を守った上でカスタマイズしたトレーニングを受講したいといったニーズに応えられるのが特長です。
  5. SAP Learning Hub
    「SAP Learning Hub」は、SAP社が提供している有償オンライン学習コンテンツです
    24時間365日、自分の好きなタイミング、自分の好きな場所からSAPの学習コンテンツにアクセスすることができ、自分のペースで学習を進めることができることが特長です。
    *SAP Learning Hubの詳細は是非こちらのブログをご覧ください。
     SAPを学習するには? ~SAP Learning Hubのすすめ~(vol.75)

まとめ

ここまで、SAP Trainingについて解説して参りました。まだ良くわからない部分も多いかと思いますが、本ブログ記事をご覧いただき、SAP製品を学習する選択肢が一つでも増えたのであれば幸いです。

SAP製品の導入検討を予定している方も、SAP製品を利用しているユーザも、SAP製品の導入を行うSAPパートナーも、SAP製品に興味がある学生や新社会人も、SAP Trainingを活用して、SAP製品への理解を深めていただければと思います。