SAP BI おすすめの活用方法(vol.35)

  • 公開日:2021.07.06

SAP ERPなどの基幹業務システムにおいて「データ利活用」というキーワードで必ず検討されるのがBusiness Intelligence(以下、「BI」という)です。
世の中にはBIツールが数多く出回っており、製品それぞれに特徴はあるもののどれを選定したら自社に適しているのかと悩まれてはいないでしょうか。
また、実際にBIを導入してはみたものの、うまく活用できずに使われなくなってしまってはいないでしょうか。

本ブログでは、SAP ERPなどの基幹業務システムにおけるBIのおすすめの活用方法を解説します。

SAP BI 導入の要点

そもそも、BIの導入目的は、企業が持つ様々なデータを蓄積・分析・加工することで、企業戦略や経営等の意思決定に資する判断材料を提供することだと考えます。

適切にBIを導入することにより、

  1. 何が発生しているのか:事実を把握する
  2. なぜ発生したのか:原因を見つける

を可視化し、改善に向けたPDCAサイクルを回すことができます。

しかし、BIツールを導入したお客様におかれましては、「導入したけど使えない」、「単なる定型レポートツールになっている」、「何をどうしたらよいかわからない」といった悩みを持たれていることが多いように思います。
これらの原因はどこにあるのでしょうか?

業務や経営の現場では、課題感や改善に向けたアイデア出しといった対応をおこなうことはできると考えますが、その裏付けとなるデータや情報はどこにあるのか(どのシステムから持ってくればよいのか)といったところは情報システム部門が担っています。
結局のところ、両者の対話(Dialog)で現場の「欲しい」とBIツールで「できること」をすり合わせながら実装することが最も重要だと考えます。

昨今では、業務や経営の現場の目線で、予めSAP ERP等の基幹業務システムのデータを利活用した業務特化型のBIソリューションが提供されています。このようなソリューションを活用されることも有効だと考えます。

SAP BI おすすめ 活用方法①: 経営状況をモニタリングする

まず、はじめにご紹介するのは、会社(子会社などグループ会社全体)の経営状況をモニタリングする活用方法です。
企業の経営状況を可視化(ビジュアル化)というと聞こえはいいのですが、何をどう見える化したら良いかとなると正解はなく、各社各様となってしまうため、いろいろ悩まれていると考えます。
企業のグローバル化もあり、国内外のグループ会社全体での経営状況を可視化し、何かしら特異な事態が発生している兆候、特に不正な取引等のガバナンスを強化するといった観点での活用を検討されることが増えてきました。

今回ご紹介するEMPHASIGHT(エンファサイト)というソリューションは、SAP ERP等のデータを活用し、子会社経営データ分析プラットフォームとして、「経営報告データの分析、考察の効率化」「子会社向け戦略的ガバナンス強化」「外部関係者向け説明力向上」を強力に支援します。

主に次の2種類の機能を提供しています。

  1. 財務諸表分析(広く浅く網羅的に)
    財務諸表をベースに経営指標を分解し、比較分析・異常値の可視化とそれに対するコメントを記録する機能をご提供
  2. トランザクション分析(狭く深く重点的に)
    リスクシナリオ一覧から機能選択、追加し、データ分析を実現。不正兆候や業績予想への影響等の可視化し、調査対象の特定から調査進捗管理までのタスクを一元管理

<ご参考>
https://erp.dentsusoken.com/solution/emphasight

次に紹介するのは、SAP ERPではカバーしきれない業務状況をBIにより補完することで、現場の業務支援を行うという活用方法があります。具体的には、次の2つの場面を説明します。

SAP BI おすすめ 活用方法②:実際の原価を明らかにする

つぎは、SAP ERPの「原価」にフォーカスした活用方法です。
原価管理を行う上で、SAP ERPでは標準原価での管理しか対応できていません。
しかし、実際の業務では予め設定されている原価情報を使った標準原価管理ではなく、実際原価管理が必要です。

今回ご紹介するADISIGHT-ACS(アディサイト-エーシーエス)というソリューションは、品目別の実際原価計算や標準と実際の原価差異把握、各種シミュレーションによる原価分析など原価管理業務本来の「分析」を実現するためのSAP ERP専用の原価分析ソリューションです。
SAP ERPに手を加える事なく、原価分析のための品目別原価情報を生成、品目別実際原価計算により品目の正味利益をSAP ERP外部で確認可能です。
各種シミュレーション機能や原価差異分析機能の利用による分析業務の深耕ができ、BIレポートや配賦定義についてユーザーで自由にカスタマイズし、分析軸の設定が可能です。

<ご参考>
https://erp.dentsusoken.com/solution/adisight-acs

まとめ

昨今では、業務上取得可能な各種データをもとに、経営・マーケティング・人員配置などの意思決定を行う「データドリブン経営」と言う言葉が当たり前になるほど、BIの活用が重要視されております。
現場で必要となるデータをどのシステムから抽出・加工して実現するかは、現場とシステム管理部門の両者の対話によって、適切にすり合わせることが肝要です。
また、現場の目線で実装された業務に特化した機能を保有するBIソリューションを活用することも選択肢のひとつです。

本ブログでは、「経営状況のモニタリング」、「(納期や原価に関する)業務の補完」という3つの活用方法をご案内しました。
これらのSAP BI おすすめの活用方法におきまして、ベースとなっているのが弊社のBusinessSPECTREというSAP ERP 専用のETLツールであり、これまでに140社以上のSAP ERPユーザにご利用いただいています。
SAP ERPのデータ利活用についてお悩みがございましたら、お気軽に弊社までご相談いただければ幸いです。

◆ BusinessSPECTREご紹介ページ:https://erp.dentsusoken.com/solution/sap-bi-businessspectre

◆ お問い合わせ:https://erp.dentsusoken.com/inquiry/