SAP BIテンプレートの活用方法とは?(vol.8)

  • 公開日:2021.02.08

SAP BIに関するテンプレートの存在は知っているものの、それらをどう使えばよいかを理解できていない方は少なくありません。
本ブログでは、SAP BIテンプレートを効率的に活用する方法を解説していきます。

SAP BIテンプレートはどう活用する?

SAP ERPユーザにとって、SAP ERPに日々蓄積される業務データを適切に収集、分析し、将来的な課題解決に繋げたいといった要望を各社お持ちだと思います。
とは言え、SAP ERPは独特なシステムであるため、分析用データを抽出することは容易ではありません。
かつSAP ERPの膨大なデータ量に対して、BIシステムにどう取り込むかというのは、BIを活用するための最大のポイントだと思います。

そういった要望を解決するためにBIテンプレートと呼ばれる製品はたくさん存在します。
データ抽出機能、データ加工機能、レポーティング機能、などテンプレートの中にも種類があり、製品を選定する際は、様々な評価軸で考えて比較検討する必要があると思います。
テンプレートというだけあって、「導入後すぐにお使いいただけます」というのが決め文句になっている製品が多いように感じますが、実はそこに落とし穴があったりするものです。

次項からは、SAP BIテンプレートの活用方法について3つのポイントでお話しします。

SAP BIテンプレートの活用方法 完成イメージを持つ

SAP BIテンプレートを活用する方法として、まず1つ目が完成イメージを持つということです。
ここで言う完成イメージ=レポートと解釈いただいて構いません。
ETL部分やデータ加工部分について完成イメージを持つというのは少々難しいからです。
完成イメージとの例として、レポートの明細部分にはこんな項目が欲しい、検索条件には会社/事業部をセットしたい、ある金額項目をクリックして明細レポートにドリルスルーするような機能を持たせたい、などです。

まずは、こんな機能があればいいなというものを出してみてください。
各機能に対して優先度までつけられればベストかと思います。
なぜ完成イメージを持つことが重要かというと、完成イメージがあることで製品の選定を効率的に進められるからです。
また、導入後に思っていたのと違うといった後悔をする確率が低くなるということも言えると思います。
無論、各社が出しているテンプレート製品を一通り眺めてみて、完成形をイメージするといった、言わば逆をたどるのも方法の一つかもしれません。

完成イメージが固まったら、BIテンプレートとのFit & Gapを行うのがよいでしょう。
テンプレート標準で使える部分と改修しないといけない部分を明確化することです。

次項では、BIテンプレートと完成イメージのFit & Gapを行う際のポイントをお伝えします。

SAP BI テンプレートの活用方法 テンプレートとのFit & Gapを行う

SAP BIテンプレートを活用する方法の2つ目が、BIテンプレートと完成イメージのFit & Gapを行うということです。
弊社で提供しているBIテンプレートは、主に3つの機能カテゴリから構成されます。
SAP ERPからのデータ抽出機能、データ加工機能、レポート機能です。
レポート機能について、導入前にはデモサイトやレポート関連ドキュメントを提供し、Fit & Gapを行っていただくことが多いです。その際、Fit & Gapを上手く実施できているユーザもいれば、うまくできずに苦労されるユーザもいます。
人手が足りない、時間がない、スキルがないなど要因は様々だと思いますが、私個人的には、完成イメージを持った状態でFit & Gapに挑めているか、が大きな違いだと思います。
先ほどお伝えした、完成イメージを持つということをしていないと、テンプレートのレポートを見て、何と比較すればよいかが分からず、結局のところレポートの見た目や言葉に騙されてしまい、導入するもうまく活用できない、といったことに陥りやすいのです。

Fit & Gapを行う際のポイントとして、マトリクス化して要点を整理するということをお勧めします。
完成イメージにはあって、テンプレートにはないもの、つまり導入後に何かしらの改修が必要となる可能性があるものを洗い出すのです。
導入前にこれらを整理することで、製品仕様上改修しても実現できない機能が導入前に発覚し、導入後に後悔することを避ける(=リスク回避する)ことが可能です。
まずは、マトリクスを用意して、〇△×(〇=テンプレートで実現可能、=テンプレートで実現可能か不明(ベンダーに要相談)×=テンプレートで実現不可能)3段階で評価してみましょう。
その後、ベンダーにフィードバックし、改修箇所を両社で把握することで、以後の作業が効率的に進められ、かつ改修箇所が明確になれば精緻な見積が可能となるため、コストダウンにも繋がるはずです。
できる範囲で結構ですので、Fit & Gapを行い、改修箇所を明確化することをお勧めします。

SAP BI テンプレートの活用方法 自社向けにカスタマイズする

SAP BIテンプレートを活用する方法の最後は、自社向けにカスタマイズするということです。
これまでの話からすると当たり前かもしれません。
ただ、前提として、自社の現状課題を把握していること、実現イメージを持つことができていることです。
無駄なカスタマイズをしてしまうとその分コストが増えますし、最終的に使えないものになってしまうといったこともあり得るかと思います。
テンプレートをそのまま活用できる例はあまり多くありません。なぜなら課題認識や要望というのは会社ごとに様々だからです。
テンプレートは、万人受けするような基本的な機能しか備わっていないという感覚でいたほうが、むしろいいのかもしれません。
テンプレートを上手に活用するには、自社向けにカスタマイズすることを踏まえながら前述したポイントを遂行することが重要だと思います。

テンプレートを利用することで、1から作る必要がなくなることは確かですが、活用方法を誤ると費用はかけたものの、活用できずに何年後かに代替ツールを探す旅に出ないといけなくなります。
そういったことがないよう、特にポイントの1つ目「完成イメージを持つ」を心がけて欲しいと思います。

弊社が提供しているBIソリューション:BusinessSPECTREの導入実績は140社を超えました。
ETL機能の課題、レポート機能の課題、自由分析の課題など、BIテンプレート活用に対する各種お悩みに対して、解決のサポートが可能ですので、お気軽にお問合せいただければと思います。

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