SAP BI を導入するメリットとデメリット(vol.26)

  • 公開日:
  • 最終更新日:

BIとはBusiness Intelligenceのことで、企業が有する膨大な量のデータを、分析・加工して経営分析に活用する手法のことを意味します。

SAP BIを導入することのメリットとして、データ収集が効率化できることや、スムーズなレポートの作成が可能になることが挙げられます。
一方でデメリットもあり、操作の習得の時間がかかってしまうこと、コストがかかってしまうことなどが挙げられます。

本ブログでは、SAPにBIを導入することによるメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説していきます。 

SAP BI を導入するメリット ①データ収集の効率化

SAPにBIを導入するメリットの1つ目はデータ収集の効率化ができることです。
SAPはERP(Enterprise Resource Planning)システムの一つです。ERPとは、企業活動に必要な基幹システムを統合し、1つにまとめたパッケージのことを意味します。
SAPはこのERPシステムの1つであるため、日々の企業活動によってデータが蓄積していき、取り扱うデータ量が膨大になります。

SAPの場合、財務会計(FI)、管理会計(CO)、販売管理(SD)、在庫購買管理(MM)など幅広い領域を提供しています。
そのため、使用されるデータは会計や販売、在庫データなど幅広く、これらの情報を、人が管理・集約しようとするとかなりの時間が必要となってしまいます。
また、収集から可視化までに時間がかかってしまうことでリアルタイムの情報を得ることができず、せっかく集めたデータの価値も下がってしまいます。

BIを導入することで、データ収集作業を効率化することができ、そのデータをリアルタイムで分析に使用することができるようになります。
BIの導入によって、データ収集の所要時間が短くなることに加えて、質の高いデータも手に入れることができます。
人が集計作業を行った場合、ヒューマンエラーが起きてしまうことでデータの正確性が損なわれてしまうことが考えられますが、BIツールを使用することでデータの正確性を保障することができます。

データ収集の効率化をしつつ質の高いデータが得られることは、膨大なデータ量を扱うSAPにおいては特に大きなメリットであると言えます。 

SAP BI を導入するメリット ②スムーズなレポート作成

SAPにBI導入するメリットの2つ目は、スムーズなレポートの作成を実現できることです。
1つ目のメリットとして挙げたデータ収集の効率化によって、正確なデータをリアルタイムで入手できるようになります。
リアルタイムのデータを用いることで、経営分析に必要なレポートを素早く正確に作成することができ、より現状に適した経営戦略を選択することが可能になります。

作成できるレポートにも様々な種類があります。損益計算書のような一般的な会計レポートはもちろん、視覚的に分かりやすいグラフを用いたダッシュボード機能を使用することもできます。
さらに、営業戦略パターン別の必要経費や為替変動に応じた売上予測金額を算出するなど、シミュレーション機能をもったレポートを利用すれば、仮説と検証をBIツール上で行うことができます。
このようにBIツールを活用することで、目的に応じて様々なレポートを作成できるようになります。 

SAP BI を導入するデメリット ①操作の習得が必要

SAPにBIを導入するデメリットの1つ目は、操作の習得に時間がかかることです。
テンプレートを用いて作成できるレポートもありますが、より社の目的に合わせたレポートを作成するには項目や設定をカスタマイズすることが必要になります。

特に、自由分析(非定型分析)機能をもつBIツールを導入する場合に、このデメリットが大きくなります。
自由分析機能とは、画面上に何もない状態から各ユーザが目的に合わせてデータ項目やレイアウトを設定し、レポートを作成できる機能です。目的に合わせたレポートをいつでも作成できることが自由分析機能の大きな特徴です。
便利である一方で、ユーザがレポートに必要な項目を理解しているのが前提の機能であるため、適切に使用方法の共有が行われないと自由分析機能を扱える人材が限られてしまうことが予想されます。 

SAP BI を導入するデメリット ②コストがかかる

SAPにBI導入するデメリットの2つ目はコストがかかることです。
製品価格はライセンス形態などによっても異なり、ピンからキリまで様々ですが、高性能多機能であるほどコストがかかります。
中には無料で使用出来るものも存在しますが、その場合機能に制限があることが多いので、注意が必要です。

先述したデメリットである操作の習得に時間がかかることもあり、「効果的な分析方法が分からず、せっかくコストをかけて導入したBIツールが活用されない」という状況になってしまうことも考えられます。
コストや機能面だけではなく、運用方法までご検討いただいたうえで、BIツールを導入していただくことが大切です。 

まとめ

ここまでお話ししてきたSAPにBI導入するメリット・デメリットとして挙げられることはそれぞれ2つずつあります。
まずメリットとして挙げられるのは、1つ目にデータ収集の効率化、2つ目にスムーズなレポート作成が可能になることです。
一方でデメリットとして挙げられるのは、1つ目に操作の習得に時間がかかること、2つ目にコストがかかること、と言えるでしょう。

弊社では、SAP向けのBIツールとして、BusinessSPECTREを提供しています。
本製品の最大の特徴として、SAPデータベース上の特殊データを自動変換する機能や、SAPのデータベースを活用した差分転送機能があります。これらの機能を実現したことで日々のデータを適切に転送してレポートとして出力することができます。
テンプレートレポートも充実しており、導入時に需要に合わせてカスタマイズしたテンプレートを作成することも可能です。
また、自由分析機能を備えたツールもご用意しておりますので、より多角的な分析もサポートすることができます。

BusinessSPECTREの詳細については弊社のホームページで詳しくご紹介しています。
ご検討時はもちろん、導入後の運用まで全面的にサポートしておりますので、ご興味がありましたらぜひご確認ください。

BusinessSPECTREご紹介ページ:https://erp.dentsusoken.com/solution/sap-bi-businessspectre