SAP Analytics Cloud ( SAC ) とは?予測分析をビジネスに活用しよう!(vol.70)

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ビジネスアナリティクス(BA)とは、会社の状況をデータで正確に分析し、分析結果を活かし、将来のあるべき姿を予測することです。しかし、ビジネスアナリティクスに苦労している企業は数多くあり、データ分析のデジタル専門家が不足しているのが実情です。専門家のナレッジを活用して、効率的にデータ分析ができるBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)があるととても便利ですよね。

そこで本ブログでは、SAP Analytics Cloud(SAC)の機能をご紹介しながら、予測分析をビジネスに活用する方法について解説します。

SAP Analytics Cloud(SAC)とは?

SAP Analytics Cloud(SAC)は、計画/予測分析/ビジネスインテリジェンス(BI)など、あらゆるアナリティクス機能がひとつになったSAP社のSaaSソリューションです。
SAP Analytics Cloud(SAC)は、最新の直感的なユーザーエクスペリエンスのメリットを活かして、一連の計画/分析/予測を可能にします。

SAP Analytics Cloud(SAC)は、以下の機能を有しています。

  1. 総合的な意思決定支援(SAP Digital Boardroom)
  2. 可視化・自由分析・データ検索(SAP Analytics Cloud for BI)
  3. 予算・計画管理(SAP Analytics Cloud Planning)
  4. 機械学習による予測・影響分析(SAP Analytics Cloud Predictive)
  5. ユーザー管理等を行う共通プラットフォーム

意思決定の迅速化を実現するためには、可視化されたデータを「簡単に迅速に読み解く」ことが求められます。
SAP Analytics Cloud(SAC)は、 データの良し悪しを迅速に把握するための多くの機能が存在します。

SAP Analytics Cloud(SAC)で企業の今を知ろう

企業がBIツールを利用する場合、分析システムをIT部門が管理しているケースが多いかと思います。IT部門が各部門からのリクエストに応じて分析結果をまとめ、業務担当者に届けるという仕組みが一般的です。

しかし現在は、手軽に導入できるクラウドサービスで、本格的なアナリティクスソリューションが利用できます。SAP Analytics Cloud(SAC)なら、専門的なデータ分析の知識がなくても、業務担当者自身がさまざまな切り口から柔軟かつスピーディーに分析を実施し、ビジネスの意思決定に活かせます。日々の業務で発生するデータをさまざまな切り口から読み解くことにより、以下のような企業内の状況(例)を把握できます。

SAP Analytics Cloud(SAC)で把握できる企業内の状況(例)

  1. 仕事が滞りなく進行しているのか?
  2. 売上の達成状況はどうなのか?
  3. 余分な作業やコストが発生してないか?
  4. 後々問題につながりそうな出来事が起きていないか?

このように、企業内の状況が正確に把握できれば、経営課題が見えてきます。そして、経営者やマネジメント層は、スピーディーな意思決定ができるメリットがあります。企業の今を知ることができれば、素早いアクションが実現できるのです。


SAP対応データ連携/BIツールの最適解

SAP Analytics Cloud(SAC)の便利な機能でビジネス アナリティクスを実現しよう

SAP Analytics Cloud(SAC)の便利な機能を使うと、データ分析の専門的な知識がなくとも、ガイドに沿って進めることで高度なデータ分析ができます。
以下に、その便利な機能の一部をご紹介します。

  1. データブレンディング
    SAP Analytics Cloudは、様々なデータソースからデータを読み込み、複数のモデルを同一のストーリーでブレンドして可視化できます。同一のチャートやテーブル上でブレンドし、入力コントロールによってフィルタリングを行うことも可能です。

  2. ディスカッション(チャット)
    任意のレポートやチャートに対して、ディスカッションスレッドチャット画面を立ち上げられます。分析結果についての確認や、入力値の相談を行う場合に使うことができます。ディスカッションを立ち上げたユーザーが、他者ユーザーをディスカッションに招待すると、システム上の通知機能または電子メールで知らせることが可能です。モバイルアプリを利用しているユーザーであれば、通知をモバイルで受信し、モバイルからレポートの確認やディスカッションに直接参加できます。ディスカッションにはローカルPC上のファイル添付やタスクのリンクも実現可能です。

  3. SAP Analytics Cloud Augmented Analytics

    (a)インサイト検索
    ・指標を検索するだけで最適なモデルに直接アクセスし、知りたい情報を即時に取得できます。
    ・簡単なインプット項目を追加することで、データのフィルタやチャートの指定など、インタラクティブな操作が実現できます。

    (b)スマートディスカバリ
    ・分析の最初のステップとして、データの示唆する情報を多面的に捉える探索的なデータ理解を支援します。
    ・KPIのキーインフルエンサの発見、インフルエンサによる数値ターゲットのシミュレーション、列の相関の発見をガイド付きで実行できます。

    (c)スマートインサイト
    ・ビジュアライゼーションの特定のデータポントについて、その値に影響を及ぼしている要因を探る洞察の獲得をワンタッチ操作で実行できます。
    ・インサイトチャートと説明テキストを自動作成できます。

    (d)スマートグルーピング
    ・k平均法を用いたクラスタリングによるデータポイントのグルーピングをワンクリックで実行できます。
    ・たとえば顧客グループを発見し、散布図、バブル図を使用したセグメントの可視化が可能です。

    (e)スマート トランスフォーメーション
    ・生データを分析に適した形へ整えるデータラングリングの工数を削減できます。
    ・データプロファイリングをもとに必要な加工アクションを提案し、データ品質チェックをユーザーにフィードバックします。

  4. 地図と連携した情報の可視化・分析
    「地理マップ」を使うと直感的に表現が可能です。例えば、東京/神奈川といった場所を表すデータに経度や緯度などの位置情報を含ませると、地図上にデータを表示できます。航空写真や道路、海洋図など様々な種類の地図を用いることができます。役員や上級幹部社員向けに有効な機能ではないでしょうか。

これらの便利な機能を使って、意思決定を行う担当者がその場で質問、ドリルダウン、複数シナリオをシミュレートできるのです。そして最も適切な経営判断を行うことが可能になります。

SAP Analytics Cloud(SAC)による予測分析をビジネスに活用しよう

SAP Analytics Cloud(SAC)は、ビジネスインテリジェンスやデータサイエンスのスキルがない人でも、ボタンを押すだけで今後の予測分析を行うことができる拡張アナリティクス機能を持ってます。エンタープライズプランニング機能では、機械学習ツールの活用から会社の今と将来のビジネスを理解し、計画予測をします
予測分析を実際のビジネスに活用すると、次の4つの活用例が挙げられます。

予測分析の活用(例)

  1. 市場動向や顧客ニーズを即座に予測できる
  2. セグメント別、チャネル別にオファーをカスタマイズできる
  3. 市場価格の変動が生産計画に与える影響を予測できる
  4. サプライチェーン全体で需要と供給の変化を予見できる

好業績の企業は、予測分析による洞察を活用し、膨大なデータの中に潜んでいるチャンスを探し出しています。それと同時に、リスクもあぶり出しています。予測分析による洞察を社内の誰もが利活用できるようにすることで、企業は適切なタイミングで適切な選択を行えるのです。SAP Analytics Cloud(SAC)を活用すれば、予測分析による洞察が可能になり、「利益を出せる企業」になれるかもしれません

まとめ

「SAP Analytics Cloud(SAC)とは? ~予測分析をビジネスに活用しよう!~」と題して、ご紹介してまいりました。
SAP Analytics Cloud(SAC)は、データ分析の専門家がいなくとも効率的に、適切なデータ分析が可能になります。同時に直感的かつ説得力のあるダッシュボードや図表を表示できるのです。

一般的なBIツールは「見える化」や「意思決定できる」という特徴をアピールしています。もちろんこれらの特徴も大事なのですが、これからのBIツールに必要なポイントは「見えた後、どうするのか?」、「意思決定した後、どうなったのか?」ということではないでしょうか。

SAP Analytics Cloud(SAC)は企業の今を知ることができ、意思決定に役立てるBIツールです。そして、予測分析できることで「見えた後、どうするのか?」、「意思決定した後、どうなったのか?」の結果に導いてくれるツールと言えるのはないでしょうか?
ぜひ、SAP Analytics Cloud(SAC)の予測分析機能を活用して、「利益を出せる企業」を目指してみてください。

 

本記事は、2022年3月31日時点の情報を基に作成しています。製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、電通総研のWebサイトからお問い合わせください。
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